
株式投資は、資産を増やすための有効な手段の一つです。しかし、初めて投資を始める際、「少ない資金でも始められるのか?」と不安に感じる方も多いでしょう。実際には、20万円程度の資金からでも株式投資を始めることは十分可能です。ここでは、20万円を元手に株式投資を始める際のポイントや戦略について詳しく解説します。
20万円で株式投資を始めるメリット
まず、少額で株式投資を始めるメリットについて理解しておきましょう。
少額から始められる安心感
20万円という資金は、株式投資の世界では比較的少額と言えます。このため、最初から大きなリスクを取らずに、少しずつ市場に慣れていくことができます。失敗した場合でもダメージを最小限に抑えられるため、投資初心者にとっては安心感があります。
リスク管理のトレーニング
少額で投資を始めることで、リスク管理の重要性を実感しやすくなります。株価の変動に一喜一憂しすぎないためにも、少額からの投資は良いトレーニングになります。
投資経験を積む
20万円でも、株式市場での取引を経験し、市場の動きや銘柄選びのコツを学ぶことができます。
投資の経験は実際に取引を行うことでしか得られないため、少額であっても市場での経験を積むことが長期的に見て非常に重要です。

投資は1日、2日で終わるようなものではなく、長期で向き合っていくものです。失敗も成功も、貴重な経験値として蓄積されていくので、それだったら、1日でも早く経験を積む方が良くないですか?
本田圭佑は、「量をやってないやつに質を語る権利なし」と言ってます。
投資で勝つという「質」だけを追求することは大事ですが、ぶっちゃけ絶対に負けない投資など存在しません。ここぞという場面で、的確な判断を下せるのは、量に裏付けされた経験があるからだと思います。
20万円で選ぶべき投資スタイル
次に、20万円という資金で投資を始める際に、どのような投資スタイルを選ぶべきかを考えましょう。
分散投資
少額投資の基本は「分散投資」です。1つの銘柄に全額を投資するのではなく、複数の銘柄に分けて投資することでリスクを分散します。例えば、4つの銘柄に5万円ずつ投資することで、1つの銘柄が値下がりしても他の銘柄の値上がりでカバーできる可能性があります。
高配当株への投資
20万円を元手にする場合、安定した配当を得られる高配当株への投資も選択肢の一つです。高配当株は、企業の業績が比較的安定しているため、値動きが少なく長期的に保有することで配当を受け取ることができます。これにより、株価の上昇を狙うだけでなく、配当収入を得ることで安定したリターンを期待できます。
成長株(グロース株)への投資
20万円でリターンを最大化したい場合、成長株に注目するのも一つの方法です。成長株は株価の変動が大きく、リスクもありますが、うまく選べば大きな利益を得られる可能性があります。ただし、成長株への投資は慎重に行う必要があり、企業の成長性やビジネスモデルをしっかりと分析することが重要です。

成長株への投資は、値動きが激しい事や、短期間で株価が上昇する傾向があるため、デイトレードやスイングトレード向きです。
ただし、しっかりと分析をおこなって取引しないと、あっという間に焼け野原になりますので、注意してください。
銘柄選びのポイント
20万円で株式投資を始める際には、銘柄選びが非常に重要です。
以下のポイントを参考に、投資先を選定しましょう。
1株あたりの価格が手頃な銘柄を選ぶ
日本株の多くは100株単位での取引が基本です。したがって、1株あたりの価格が手頃な銘柄を選ぶことが大切です。
例えば、1株1,000円の銘柄であれば、100株購入するのに10万円が必要です。20万円の資金であれば、このような銘柄を2種類に分散して投資することが可能です。
業績が安定している企業を選ぶ
初心者が投資する場合、業績が安定している企業を選ぶことが重要です。業績が安定している企業は、株価の変動が比較的少なく、長期的に保有することでリスクを抑えることができます。決算情報や業績推移を確認し、安定した利益を上げている企業に注目しましょう。
配当利回りを確認する
配当利回りは、株価に対する年間配当金の割合を示します。高配当株を選ぶ場合、この配当利回りが重要な指標となります。配当利回りが高いほど、保有することで得られるリターンが大きくなります。ただし、高配当であっても業績が不安定な企業は注意が必要です。

単純平均利回り平均(2024年8月時点)は、プライム市場で2.3%です。
筆者の経験則から申し上げると、利回り4%以上の銘柄を狙っていく事がおすすめです。
株式平均利回り(AverageYield)/その他統計資料 | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)
投資先のスクリーニング具体例
では、20万円の資金で投資する際に、どのような銘柄をスクリーニングすべきか、いくつかの具体例に当てはめてみましょう。
例1:高配当株(*利回り4%以上)
- JFEホールディングス:川崎製鉄とNKKが統合。粗鋼生産国内シェア高い。商社、エンジニアリング事業など、多角化経営を行う。2期連続の増配を発表しており、安定した配当を期待する投資家にとって魅力的な銘柄。
- 日産自動車:仏ルノー、三菱自動車と連合でグローバル展開。自動輸送機業界の中でも、安定した配当を出している企業の一つ。景気変動の影響はあるものの、長期保有に適した高配当株。
*2024年9月25日時点の配当利回りを基準にしています。
例2:成長株(グロース株)
- カバー:VTuberのキャラクターIPの開発や、VTuberプロダクション運営。ライセンス、グッズ販売も行う。新規事業の展開や海外事業などの成長余地が期待される企業で、株価の上昇を狙う投資家に注目されている。
- GENDA:「GiGO」ブランドを主としたアミューズメント施設の運営。さらに、アミューズメント関連のM&Aで成長を継続。今後も成長を期待できる企業。リスクは高いが値上がりを狙える銘柄。
例3:ETF(上場投資信託)
20万円で分散投資を行う場合、ETF(上場投資信託)も有効な選択肢です。ETFは株式のように取引所で売買でき、複数の銘柄に分散投資することができます。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:「バンガード・S&P500ETF」を通して、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):日本を含む先進国ならびに新興国の株式に投資し、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用。
リスク管理の重要性
そして、20万円で株式投資を行う際には、リスク管理をしっかりと行うことが重要です。
損切りラインを設定する
投資を始める前に、自分が許容できる損失額を決めておきましょう。例えば、「株価が購入時より10%下落したら売却する」など、損切りラインを設定することで、大きな損失を防ぐことができます。
長期的な視点で投資する
短期的な株価の変動に惑わされず、長期的な視点で投資することが大切です。株式市場は短期的には変動が激しいですが、長期的には経済の成長とともに株価も上昇する傾向があります。長期保有を前提に、企業の成長や配当を見越した投資を心がけましょう。
まとめ
20万円という少額からでも、株式投資を始めることは十分可能です。
少額だからこそ、リスクを抑えつつ経験を積むことができ、投資の基礎を学ぶのに適しています。分散投資や高配当株、成長株への投資など、投資スタイルに応じた戦略を立て、リスク管理を徹底しましょう。
株式投資は長期的な視点で考えることが重要です。焦らずコツコツと積み重ねることで、投資効果を最大化させていきましょう。